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●PX-G5300使用感1

モニタキャンペーンで借りているPX-G5300を、写真展「白山の恵みに生きる」の会場で開催した写真教室で使用しました。

PX-G5300モニターキャンペーンの規定で、プリンタの使用感をブログにアップすることになっていますので、思いつくことを書かせてください。

写真教室
工芸の里 写真教室の様子
2日間で43名の受講でした。

■画質
文句はありません。
そもそも私的には、4000PXあたりから画質的な不満はなくなりました。
暗部の階調だとか、より鮮やかな色が出るだとか、新しい機種の印刷品質がアップしているのは確かだと思いますが、それが作品を作る上で不可欠な品質であるかといえば、私的にはNO。
作品としての最終評価には、既にどうでもよいレベルに達していると思います。
(4月30日追記:モノクロ印刷では、4000PXのグレーの安定性は難があったと思います。)
それよりも、発色の安定性だとか、長期間ハードな使用でもガタがこないとか、機械としての信頼性が大事だと思います。

■マット紙印刷
G5300のマット紙印刷も試しました。
ちまたではK3インクの方が階調が豊富だとか言われてますが、確かにモノクロ印刷では重要かもしれません。
しかし、カラー印刷ならば、まあ、十分じゃないでしょうか。
純正プロファイルを使って、クリスピア、写真用紙<光沢>、フォトマット紙の印刷結果を見比べると、色的にはかなりのマッチングがとれています。ガラス付きの額に入れて作品展に出すならば、マット紙で十分だと思いました。
(4月30日追記:クリスピアは紙の白色の違いが原因で、絵柄によっては色合いが違って見えることがあります。)

■グロスオプティマイザ
このプリンタは透明インクで顔料特有の光沢ムラを解消するというものです。
実際に色々な光線状態で観察しましたが、光沢ムラは完全に解消されていると思いました。
しかし、全体的な光沢感は銀塩プリントで言えば、RPプリント程度です。

■顔料の光沢ムラ
水性顔料インクで印刷すると、インクの乗りの違いによって、画面の光沢にムラが生じます。
個人的な感想として、旧PXインクは展示用の作品を光沢紙で製作する場合は使用に耐えない、ラミネート必須だと判断していました。
新しい、エプソンのPX-K3インクの場合は、結構改善されています。私的にはラミネートなしでも展示作品に使用できるレベルに達していると思っています。しかし、通常の写真プリントを見比べると、明らかに見え味が劣っていることも確か。写真とポスターの違いみたいなものですか。。。
そして、PX-G5300ではグロスオプティマイザの効果で、通常の写真プリントと同等の見え味が得られるようになったようです。これが、このプリンタの最大のアドバンテージだと思います。

■インクの消費がすごい
A4写真用紙全面に写真印刷12~13枚、A4普通紙にテキスト印刷40枚ほどで、シアンインクが交換になりました。色によってインクの消費量は異なりますが、残インクのインジケータを参考に考えると、おおむねカートリッジ1本あたりA4写真用紙3枚くらいしか印刷できないのではないかと思います。
つまり、A4写真1枚のインク代が300円程度ということです。
普段使っているPX-5800では、A2サイズ1枚のおよそのインク代が、同じ額の300円と考えていましたので、4倍の違いです。
ちなみにWEBからプリントオーダーすると、6PWのプリントが300円~500円程度です。インク代のほかに紙代もかかりますから、コストメリットは、無いというよりむしろマイナスですね。
(4月30日追記:新品のプリンタは、インクを初期充填に使用することを考慮しないでインクコストを計算していましたので、前述の数値は妥当ではありません。その後の使用ではデータ取りをいい加減にしていたので、本当のインクコストはわかりません。申し訳ないです・・・)

■クリスピア
クリスピアはエプソンの写真用紙としては最上位に位置するものです。
PX-G5300では画面全体に透明インクが上塗りされるという仕組み上、写真用紙とクリスピアの光沢感の違いはないと思いました。用紙自体の光沢は、印刷結果には関係ないようです。
このプリンタでは、高価なクリスピアを使う意味は、画質的にはないと判断しました。
それと、用紙自体の白色のことですが、クリスピアは写真用紙<光沢>に比較して青みがかなり強いです。白色感を強調するためかもしれませんが、ちょっとやりすぎのような気がします。

■純正プロファイル
エプソン提供のプロファイルを使って、同じ画像をPX-5800でも印刷して比較しました。
G5300の方が青~緑が強いと感じました。
原因は、プリンタの個体差やプロファイルの出来でしょうが・・・
まあ、風景主体の私的には問題ないレベルではあります。
アナログのダイレクトプリントをしていた時代(相当ばらついた)に比べると、デジタルプリントになって相当やりやすくなりました。
しかし、人肌の微妙な色調にこだわったりするような人は、この色の違いは許容できないかもしれません。

■時々だんまりする
PCから印刷データを送ってから、実際に印刷がはじまるまでに非常に長時間がかかることがあります。普通紙や写真用紙を交互に使っていたので、内部でブラックインクの入れ替えをしていたんでしょうか?それともプリンタの不良?
理由があって時間がかかっているのなら、PCの方にアラートを出すとかの工夫がほしいです。
あまりに長時間動かないので、一度はフリーズかと思ってPCやプリンタをリセットしたほどです。

■ドライバ設定画面のインタフェース
旧来のものから刷新されたようです。
慣れもあると思いますが、使いにくくなったようです。
私は、過去にプログラムを書いていたこともあるので、アプリケーションのインタフェースの出来不出来はある程度はわかるつもりです。
それなりの要求事項があったんでしょうが、私ならばこんなふうにはしません。

■このプリンタを買うか?
拙宅では、PX-5800、4000PX、カラーレーザーの3台が稼働しています。
PX-5800はフォトブラック固定で写真専用、カラーレーザーはオフィス文書、4000PXはマットブラック固定でCD印刷とオフィス文書です。
カラーレーザーがあるのに、なぜ4000PXでオフィス文書を印刷するかというと、カラーレーザーは別室に設置している上、電源を入れてからやスリープから復帰してから印刷できるまでの待ち時間が長いからです。机の脇にあるPX4000は電源を入れてからすぐに印刷できますし、1~2枚の印刷だけなら何かと小回りがきくのです。
4000PXの代替えでPX-G5300を買うことは、インク代が高いのでなさそうです。
PX-5800の代替えとしては、グロスオプティマイザの効果は非常に魅力的ですが、A2の印刷ができないので、代替えはできません。それにインクもすごく高いし。
今の私には、購入する理由はありません。
ただし、グロスオプティマイザ付きのA2機でPX-5800同等のインクコストのプリンタが出たら、私にはかなり魅力です。


なお、A3ノビサイズでいいならば、趣味で写真を撮っている人には最もお勧めできるプリンタです。
おそらく、階調の出方や発色の素直さは、PX-K3インクのPX-5500が上だと思います。仕事でプルーフ出力したり、厳密な色を求める用途ではPX-5500になるでしょう。
しかし、展示用の作品を作ったりする用途では、グロスオプティマイザによる見え味の自然さは、何ものにも代えがたいと私は思います。
ただし、インクコストはすごいので注意してくださいね。