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●デジカメ用バッテリーの耐寒特性、純正と互換

EOS 5DのバッテリーBP-511
EOS 5DのバッテリーBP-511 銀色が互換バッテリー


2007年4月28日からの白山の撮影では、積雪期の山頂付近でデジタルカメラ(EOS 5D)をはじめて使うことになりました。
28日の夕方は気温が低いことに加えて、かなり強い風が吹きました。
150枚近くシャッターを切ったころ、案の定、バッテリーの起電力が低下して(消耗ではなく低温による一時的なもの)シャッターが切れなくなりました。

まあ、この事は予測していたのでカメラバッグに用意していたバッテリーに取り替えて撮影を続行しました。
ところが、満充電のバッテリーで2枚しかシャッターが切れなかったのです。
充電してなかったのかな?もう一個の予備バッテリーを装填しても同じ状態です。いやあ、あわてました。

冷えきって起電力が低下したものだと思いますが、この程度の寒さで?
寒いと言っても氷点下5度程度です。ただ、風が強かったので、カメラバッグ内は外気温と同じ温度まで下がっていたと考えられます。
今まで使っていたマミヤの場合、同程度の寒さで起電力低下は起こりましたが、予備電池(酸化銀電池)はカメラバッグに入れておくだけで十分機能したものです。ちょっと油断していました。

撮影を終えて晩ご飯を作りながらバッテリーを温めました。10分くらい(体温と同等温度)温めて、これで十分だと思ってカメラに入れるとインジケーターが1目盛りしか立ちません。げっ、カメラの回路異常かも。
結局1時間以上温めると回復しました。回復の速度は、新品も少々へたったやつも大きな差は無いようです。
マミヤの酸化銀電池は、非常の場合、口に入れたり(ぴりぴりしますが)するとすぐに回復したのですが、これも予定外です。

それと1本だけ互換バッテリー(この時点では未使用)を持っていたんですが、これは1時間温めても回復しません??
結局、翌朝までシュラフに入れて一緒に寝たら回復しました。

翌日以降の撮影では、一定の温度以下になると、すぐにインジケーターが1本くらいに下がりました。温めると回復するのですが。

今まで、雪中で星空の撮影なんかしてきたんですが、この時は寒さによる起電力の低下は体感的には皆無でした。特に保温しない状態で、使い切ったバッテリーを温めても回復しない。氷点下2~3度程度だと思いますが、この程度の寒さであれば起電力の低下は気にしないで最後まで使い切れたことになります。また、互換バッテリーと純正バッテリーの体感差はありませんでした。


以上のことから、まとめると。

・あるところ(氷点下5度くらいか)を境にして、急激にバッテリーの起電力低下が起こる。いきなりダメになると言うところが怖いです。

・いったん起電力が低下すると、長時間温めないと回復しない。バッテリーは予備もカメラ内のも全てシュラフに入れて一緒に寝る。撮影ポイントまでの早朝の行動中も、バッテリーを体温で温めて続けておかなくては、いったん冷え切ると温めても撮影に間に合わないかもしれません。

・回復の速度は、新品も少々へたったやつも実用上の差は無い。

・互換バッテリーは(全てとは言えませんが)、回復が遅いものがある。注意。

・互換バッテリーでも(全てとは言えませんが)、起電力低下の限界温度は純正同等程度が期待できる。


ということになります。

とにかく、今まで以上に保温に気をつけなければいけません。
しかし、冬山は氷点下10度くらいは当たり前。常時強い風が吹き、カメラやカメラバッグ内も芯まで外気温と同じ温度に冷え切ります。ヤッケやオーバーズボンを履くぐらいでは衣服のポケット内も氷点下、撮影現場では直接肌に付けるくらいでないとバッテリーは冷えてしまいます。
冬の白山では、デジタルカメラは使用不可能かも知れません。(まあ、外部バッテリーパックなんかもありますが。)

WEBの掲示板なんかで、氷点下20度とか北海道での使用報告なんかを見て、結構安心してたんですが、あてがはずれた感じです。カメラ自体は可動部分が少ないので寒さに強いと思うのですが、問題は電力ですね。

互換バッテリーは、有名なロワ(http://www.rowa.co.jp/)から買ったもので、新品の時は純正より強力だったもので、結構気に入っていたんですが。
このロワをはじめ、楽天なんかでは互換バッテリー(EOS 5DのBP-511)を検索すると結構出てきますがどれも一緒でしょうかねえ。

このゴールデンウイークに入山する前に、近所(と言っても数10km離れてます!)のキタムラで純正バッテリーを買いました。店の人がウィンドウの鍵を開けて大事そうに出してきたのを見て嫌な予感がしたんですが、高かった!7000円以上しました!
高すぎです! ネット通販なら1000円くらい安く買えます。互換バッテリーなら3分の1以下です。

そんなこんなで、純正バッテリー3本と互換バッテリー1本を用意して入山したのですが、3日間の撮影で、約1200枚、バッテリーの消耗は実質1本半くらいと少なめでした。本番時の起電力低下を恐れて、星空や日の出前の長時間露光を控えたことが原因だと思います。